理系大学院生こいちゃの本棚

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凸凹詐欺師コンビの人生を懸けた逆転劇!道尾秀介さんの「カラスの親指」を紹介します

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道尾秀介さんの「カラスの親指 by rule of CROW’s thumb」を読了したので紹介します。

 

道尾秀介作品を読んだのは本作が初めてです。

 

これまで、道尾作品はタイトルの不気味さや暗い印象から読めずにいました。しかし、勇気を出してこの著書を読んで印象がガラリと変わりました。

 

緻密な伏線と大胆なトリック、繊細な心理描写と情景描写、そしてタイトルの印象とは対照的な”爽やかな読後感”。

 

本作を読了することで完全に道尾秀介ファンになりました。

 

あらすじ

 

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。道尾秀介の真骨頂がここに! 

 

作品紹介 (評価 8/10)

 

最初に一つ言いたいこと、

 

タイトルの不気味さで避けてきた人は騙されたと思って本を手に取ってみて下さい。

 

読了後は必ず「カラスの親指」というタイトルの意味も不気味では無く、すっきりと頭に染み込んできますので。

 

では早速、この作品の”魅力”を3つ紹介させていただきます。

 

① 臨場感

 

詐欺を生業とする主人公”武沢”の視点に立ちながら語られる本作では、心理描写が緻密に描かれます。

 

武沢が詐欺師になった経緯や過去の過ち、それを踏まえた数々の選択が細かく描写され、共感必至です。

 

心理描写も然る事ながら、情景描写も素晴らしい。

 

頭の中にリアルな風景と武沢の感情が流れ込んできて「カラスの親指」の世界に自然に浸ることができます。読んでからしばらく立っていますが、”絵”として頭に残る程に表現力が高いため、鮮明にストーリーが思い出されます。

 

② 読後感の良さ

 

作中に描かれる全ての事象がクライマックスに向かって、1000ピースのパズルが完成するかのようにぴったりと納得のいく形で解き明かされます。

 

また、この読後感の良さには、暗い話から、最後にそれをひっくり返す程の感動を一気に持ってくる作者の技が感じ取れます。

 

あらすじでも言われている”感動の結末”は本当に期待してください。裏切られることはないので安心して読んでみて下さい。

 

③ 数々の伏線とトリック

 

ここではもちろん多くは語りません。”読んでからのお楽しみ”です。

 

私は道尾作品を読むのは初めてでしたが、ファンになったのは、別の作品も読みたいと思ったのは「カラスの親指」に”騙されたから”です。

 

これまで数々のミステリを読んできて推理力には自信がありましたが、「カラスの親指」に大敗しました。もちろん、ミステリの部分については十分にヒントは出されていてフェアです。それでも、違和感は感じながらも自然に騙されました。

 

この感動を多くの人と共有したいので、全力でトリックに挑んでみて下さい!

 

あとがき

 

これまで食わず嫌いをしていた道尾秀介作品でしたが、ここまで感動してしまうとは、、、

 

この続編となる「カエルの小指」や代表作の数々についてもこれから読んで紹介したいと思っています。そちらも是非読んでいただければ嬉しいです。